英語のアウトプット力を鍛えるべき3つの理由
英語学習のアウトプットとは「出力する」という意味です。4技能の中では「スピーキング(話す)」「ライティング(書く)」にあたります。
日本の公教育ではなかなか強化されない「話す」「書く」のスキルですが、英語のアウトプットをトレーニングすることによって、ぐっと「英語が使えるようになった」と感じることができます。
以下、どのような効果があるのかご説明します。
覚えた英語は、アウトプットによって記憶に定着する
英語の習得には、①英語を使って、②検証して、③間違いを正して、④正した英語を再度使って、とアウトプットを繰り返しトレーニングをすることで、記憶に定着していきます。
英語でのアウトプット学習は、いわば「使って覚える」のトレーニングなのです。せっかく覚えた単語や文法も、使わなければ徐々に忘れていってしまうので、アウトプットの訓練は必要不可欠ですね。
また、書いたり話そうとするからこそ、「あれ?どういう使い方をするのか、よくわかっていなかった」と気づくこともできます。自分のものとして使うことで、より深く理解ができるため、語彙力や文法力も向上するのです。
自己表現能力のが向上し、自己把握が進む
英語のアウトプット学習は、自己表現能力を向上させることにもつながります。
自分の意見や感想を英語で表現することで、自分自身をより深く理解することができるようになるのです。
面接やプレゼンなどで、自信を持って話せるようになる
英語でのアウトプット学習は、面接やプレゼンなどのビジネスシーンでも役立ちます。自信を持って英語で話すことができるようになれば、海外の企業やクライアントとのビジネスでのコミュニケーションもスムーズになります。
以上のように、英語のアウトプット学習は、コミュニケーション能力や自己表現能力の向上、語彙力や記憶力の向上など、様々な面で重要な役割を果たします。
とはいえ、アウトプットだけ、インプットだけの学習では、バランスよく英語力を伸ばすことはできません。特に初心者は、単語力や文法知識が足りないので、まずインプットに取り組む必要があります。
英語のアウトプットはどんな時にする?
では、英語はどのような機会にアウトプットできるでしょうか?
・英語で日常会話をする
・英語の文章を書く
・英語で情報発信する
・声に出して英文を読む(音読)
・習得した英語を人に教える
以上のようなタイミングで、アウトプットすることができます。トレーニングを始めるにあたっては、まず、簡単なことから始めましょう。
たとえば、英語で日記を書いたり、友人と簡単な会話をしたり、映画やドラマのセリフを口に出して練習したりすることもできます。オンライン英会話を始めるのも選択肢のひとつです。
アウトプットの学習には、レビューや指摘が欠かせない
英語のアウトプット力をトレーニングする場合、的確なレビューを受けられることが望ましいでしょう。言いっぱなし、書きっぱなしでは、英文法の細かなミスや、言い回しの間違いをそのままにしてしまうリスクがあります。
特に、中級者や上級者の人に、「ネイティブのように発音ができない」「同じフレーズや英単語ばかり使ってしまう」「言いたいことがしっかりと伝わらない」など、英語力の伸び悩みを感じている人が多いようです。
もし、正しい英語を使えるようになりたいなら、英文添削サービスや講師とのマンツーマン英会話などを利用してもよいでしょう。
英語のアウトプットを訓練する方法
アウトプットのトレーニングは、継続的な学習が大切なので、無料や低予算でできる学習方法はぜひ知っておきたいですよね。
ここでは、毎日少しずつでも続けていけるトレーニングについて、ご紹介します。
英語のスピーキング力を高めるには
スピーキングAI(人工知能)アプリやチャットを活用してみる
独学派におすすめなのが、英語スピーキング用のAIアプリやAIと英語で会話できるサイトです。スピーキングやライティングをたくさん練習でき、講師や友人といった対話相手がいなくても1人で学習できます。
また、失敗を恐れたり恥ずかしい思いをすることなく、自分のペースで学習できるのも利点です。
シャドーイング教材・アプリを活用する
独学で英語学習をする効果的な方法の1つが「シャドーイング」です。
シャドーイングとは、聞こえてくる英文の真似をして発音するやり方で、「聞く」「発音する」を同時に行うので、確実に記憶に定着し、英語力を身に付けることができます。
読むものとしては、音声付きの英語教材を利用してもよいですし、さまざまな分野の専門家による講演会を主催しているNPO団体による「TED(Technology Entertainment Designの略称、NPOが主催)」の講演をシャドーイングしている人もいます。
スマホやタブレットで利用できるシャドーイングアプリが存在しているので、以下のポイントを検討しながら、アプリを探してみるとよいでしょう。
・自分のレベルに合った英文があるか
・再生スピードの調整機能がついているか
・録音機能が付いているかなど
音声変換アプリと発音チェックアプリで発音発声を鍛える
英語には日本語にない音があるため、日本語ネイティブにはわからなくても、英語ネイティブには間違っているように聞こえる音があります。
例えば、「a」「u」の音はカタカナの日本語の「ア」「ウ」とは全く異なるため、正しく発音するには「発音・発声」のトレーニングが欠かせません。
英語の発音や発声を鍛えるために活用したいのが、「音声変換アプリ」と「発音チェックアプリ」です。
音声変換アプリとは、スマホやタブレットのマイクから取り込んだ音声を、文字に変換して出力できる機能です。文字が足りなくなるので、発音できていない英単語が一目で理解できます。
発音チェックアプリとは、AIがお手本を音声で聴かせてくれたり、間違いを指摘してくれるアプリです。発音トレーニングだけでなく、リスニング力の強化にもつながります。
対話相手がAIであるためリラックスしながら自分のペースで学習できるのがメリットです。
英語のライティング力を高めるには
英語のライティング力を高める方法は、できるだけ多くの英文を書くこと、そしてできたらプロに添削してもらうことです。
書くだけでも英語を書く訓練にはなりますが、添削してもらわないと、いつまでも英文法のミスや英単語の使い方のクセが理解できず、成長がストップしてしまうので、「独学の壁」に突き当たることになります。効率的に学びたい人は添削サービスの利用も視野に入れましょう。
ここでは、英語のライティング力を高める、効果的な2つの方法をご紹介します。
英語で日記やブログを書く
日記やブログで伝えたいことをより具体的に表現しようとすることで、語彙力や表現力を伸ばすことができます。語彙力が増えてくると、英語の実力が上がっていることも実感しやすいでしょう。
まずは、書きやすいトピックで、日記やブログから始めることが必要です。日常の出来事や思ったことをメモするように書いていくと、アウトプットした英単語や文法が定着していきます。
慣れてきたら、SNSなどを活用して日常のつぶやきを英文で投稿してみてもよいでしょう。
発信することが好きな人にはおすすめの方法です。
海外の人と英文でメールする
単に間違いを指摘してもらうだけでは気が引けるかもしれませんが、最近では、日本語を覚えたい海外の人と、英語を覚えたい日本人でマッチングできるサイトが存在しています。
初めは緊張するかもしれませんが、基本的な挨拶文や例文を知っていれば、カジュアルなメールを書くことはそれほど難しくありません。
翻訳ソフトを使いながら、「How are you? / What’s up?」などの気軽な挨拶文で始めてみましょう。辞書にある定型文を並べて使ってみるのも一つの方法です。
外国人と交流できるWebサービス・アプリを紹介!
外国人と交流しながら英語学習をしたい人におすすめなのが、自宅にいながら気軽に外国人と交流できる「ランゲージエクスチェンジ」のアプリです。ランゲージエクスチェンジ(言語交換)とは、母国語が違う人同士がパートナーになり、互いに言語を教え合うことです。
英会話教室のように費用がかからず、世界中の英語を話す外国人とチャットや文通でつながれるシステムです。スマホ1つでリアルな英語のフレーズや英単語の使い方が学べるだけでなく、世界中の文化を体感できるのが魅力です。
英語初級者にもおすすめ!ランゲージ エクスチェンジアプリ4選
・ハロートーク
150種類の言語とユーザー数1000万を超えていている、無料で利用できるアプリです。チャットや音声通話、ビデオ通話や手書きメッセージなど自分に合ったチャット形式が選べます。(https://www.hellotalk.com/?lang=ja)
・タンデム
適切な相手と言語交換ができるように登録にユーザー審査で年齢が15歳以上、本人のプロフィールと写真を確認するため、安全に利用できるのが特徴です。添削機能や翻訳機能が内蔵されているため、英語初心者でも安心して会話を楽しめます。
(https://www.tandem.net/ja)
・スピーキー
110種類以上の言語ユーザーとつながれるアプリ。スマホ以外にもPCから接続できます。他の人がつけた評価を確認できるため、対話相手の評価を確認してコミュニケーションが取れます。
(https://www.speaky.com/)
・SLOWLY
海外のペンフレンドと無料で文通を体験できます。
プロフィールとアバター、希望する言語を設定することで、自動マッチング機能から手紙を受け取ることができ、自ら手紙を送ることもできます。文通相手とお互いの国の言葉を教えあう約束をすれば、英語のミスを指摘してもらうこともできるでしょう。
自分の英語のレベルを設定できるため、英語で手紙を書くことに不安があるビギナーにも安心して学習できます。
(https://slowly.app/ja/)
英会話スクール・オンライン英会話で練習しよう
英会話スクールとオンライン英会話、どちらがおすすめ?
英語のアウトプット力を伸ばすには、やはりプロの講師から学ぶことです。
講師と対面で学習できる英会話教室と、時間と場所を選ばずスマホやパソコンさえあれば学習できるオンライン英会話は、どちらも英語を使う力を高めるのに効果的に思えますよね。下にメリットをまとめたので、見てみてください。
英会話教室のメリット
・ネイティブ講師と直接話すことができる
・英語学習の仲間が作れる
・体系的なカリキュラムに基づいて英語を学べる
オンラインスクールのメリット
・時間や場所を選ばずにレッスンが受けられる
・色々な国籍の講師のレッスンを受けられる
・価格が安めに抑えられる
以下では、どちらを選べばいいの?と思う人のために、それぞれのメリットをご説明します。
話す力が鍛えられる英会話教室・オンライン英語サービス
スピーキング力の強化に活用したいのが、英会話教室やオンライン英語サービスです。話す機会が増えれば増えるほど、スピーキング力は確実に高めることができます。
ここでは、スピーキングが鍛えられるサービスをご紹介します。
駅前留学のNOVA
おすすめなのが、ネイティブ講師と対面レッスンが受講できる、「NOVA」です。「駅前留学」のキャッチコピーでも有名ですよね。全国に296校あるすべてのスクールに通えるため、忙しい社会人や学生でも無理なく通い続けることができます。
グループレッスンやマンツーマンレッスン、短期集中コース「NOVA PLUS」など、学習目的に合わせて選べる安心の月額制。さらに、低額のオンラインレッスン「お茶の間留学」があり、リアルな駅前留学と併用して学習できるため、対面レッスンで感じた課題をオンラインで復習することができます。
オンライン英会話ならネイティブキャンプがおすすめ
オンライン英会話でおすすめなのが「ネイティブキャンプ」です。
定額制の月額6,480円(税込)と安価で、24時間365日、無制限でマンツーマンの英会話レッスンが受講できます。予約不要のレッスンを選べば、スマホ1つで「フリートークを好きなだけ受講できる」ため、スピーキング力を強化したい人におすすめです。
書く力が鍛えられるオンライン添削サービス・英会話スクール
ライティングは「聞く・読む・話す・書く」の英語の4技能の中で最も習得が難しく、細かな文法まで意識する必要があるため、より正確なアウトプット力が求められます。
ライティング力を高めるために、おすすめの英会話教室とオンライン英会話をご紹介します。
英文添削のフルーツフルイングリッシュ
フルーツフルイングリッシュは、英作文の添削をメインとしたオンライン英会話スクール。質の高い添削サービスとオンライン英会話レッスンを組み合わせた、オリジナル色の高い学習サービスが人気です。
フルーツフルイングリッシュでは、1回のレッスンでオンライン英会話レッスン・AIによる会話の書き起こし・英文添削・フィードバックのサービスを受けられます。
レッスン内では、ネイティブが使用する実用性の高い英会話や教科書や参考書では学べない自然な英語表現も積極的に教えてもらえるので、日本人英語を卒業したい、ネイティブの英語に近づきたい方におすすめです。
ベルリッツ
通学・オンラインを選択できるスクールです。
ビジネスシーンに適した英語力を測定できる「ライティングテスト」を設けており、英語の書き取り、要約、メールの対応など、ビジネスで活用できるライティング力を習得できます。ネイティブによるレッスンで、日本が一切なしの英語オンリーなので、英語を英語で考える力も養われるはずです。
ベストティーチャー
オンライン英会話スクールです。
ベストティーチャーの特徴は、ライティングのレッスンからスタートするユニークなシステムになっており、伝えたい英語を事前に書き出すことで、内容を整理したり、英語の理解度を深めることが目的です。
自分で書いた文章をもとに会話のレッスンをするので、外国人講師の添削やアドバイスを受けることもできます。
英語でのアウトプットはなぜ難しい?
日本人は、日常的に英語を使う機会があまりありません。また、公教育の英語学習でも、インプット比率が高いため、学習した英語を使う相手がいない、英語を書く場面がない、などアウトプットする機会は限られています。
そのため、自分の英語力が正しいかを検証できないまま学習効果を体感できずに、英語学習を挫折する人は意外と多いでしょう。
実際に、日本人が英語のアウトプットを必要とする理由について解説します。
日本語を英語に変換して発話するクセをなくす
英語の語順は日本語と全く違うため、日本語で言いたいことをいちいち脳で英語に変換していると、レスポンスが遅くなったり、言い方を間違えたりします。
例えば、よくある日常会話で「Do you have 〇〇?(〇〇はありますか?)」という質問では、「Yes, we/I have 〇〇.(私/私たちは持っています)」と答えます。
しかし、一旦脳内で日本語に変換してしまうと、「There is/are 〇〇(そこにあります)」のような不自然な英語になってしまいます。
アウトプットのトレーニングを繰り返し続けることで、自動的に英語で受け答えするスキルが身につき、自然な英語を話すことができるようになるのです。
まとめ
アウトプット学習には、失敗もつきものですが、それは自然なことです。失敗から学び、次に向けて改善していきましょう。また、自分自身に厳しくなりすぎず、楽しく学習することが大切です。
最後に、アウトプット学習は、根気よく英語を自分のものにしていく過程。継続することが重要です。少しずつでも毎日続けていくことで、あなたの英語力は着実に向上していきます。
頑張ってください!